仕事上、色々な中国企業と関わってすでに4年くらい経ちました。
どの程度関わるのか、関わりの深さは別として、取引先を含め少なくとも30社以上は関わったと思います。
そして2021年11月現在、相手の企業といい関係で取引が終わったということが本当に少ないなと感じています。
さらに、友達文化=コネ社会の文化が根強いと身をもって感じてきました。
そんな経験から、最近なぜ中国は現代社会でも依然としてコネ社会なのか自分なりの結論が出たので、興味ある方は読んでください。
これからもますます中国企業や中国人と働く機会が増えてくるかと思いますので、中国関係とビジネスをする上でも何か参考になればと思います。
※あくまで個人的な考察なので、鵜呑みにしないでください。ですが本当にあった経験談も交えているので参考にはなると思います。
まずは中国企業や中国人とビジネスしたときに起こるトラブルからどうぞ。
中国ビジネス〜トラブルあるある〜
中国企業とビジネス上関わった時に私がこれは怒り心頭だと感じたトラブルを3~1位でランキングにしてみました。
第3位 やってないのにやったと言い張る、できないのにできると言い張る
- 例1:頼んだ仕事をやったかどうか中国人後輩に聞いた時に自身ありげに「やりました!」と言ったが、実際はやってない。
- 例2:中国取引先にサンプル送付依頼後、相手から送ったと言われたのに、後で追跡番号確認したら実際は数日後に手配していた。
大きなトラブルに発展しないことの方が多数という印象ですが、認識の違いから大きなトラブルになってしまうこともあるので注意かもしれません。
中国人後輩に嘘つかれたために私が上司に怒られた経験もあります。その時は結構怒り心頭でしたね。
これは中国人のメンツ文化に起因するもので、自分を大きく見せようと見栄を張ってできないこともできると言ったり、わからないこともわかりましたと言ってしまうことが多いです(特に男性、メンツ命!)。
年上中国人男性が後輩として会社に入ってきた時、メンツ命のせいか、わかってないくせにわかったふりとか自分を大きく見せようとか、ミスを認めないなど、かなり先輩に対してナメた態度とってたので、ほぼ全員から嫌われてました笑当時私は彼の教育担当だったので、散々な目に遭いましたが、今ではネタですね。
できないと言わないことって、捉え方を変えると最初は相手にとってもいい印象を与えるので、この人と取引しようと思わせてしまうマジックがあります。これもビジネスでは必要な一種のスキルですよね。でも中国側が言っていることは大抵鵜呑みにしてはダメで、それよりも悪い状況や結果を予測して動いた方が良いです。
中国とビジネスをしようと考えている方はこの本を一度読んでみてください、オススメです!
第2位 約束を守らない、やるやる詐欺
先ほどのやってないのにやったと言い張るにも関連してきますが、時間厳守と約束という言葉は中国人の身に染み付いてはいないようです。
日本人が真面目に時間や約束を守りすぎなのかもしれませんが、ビジネスをする上では困ることが多々あります。日本では時間通り、計画通りに進めていくことが重要なので中国側が期限や納期を遅らせると全部後ろ倒しになって計画台無しになったり、別の会社に迷惑がかかったりとかなり怒り心頭です。日本人から詐欺だと思われるようなことも平気で言ったりやったりします。
- 例1:日本:「XX日に納入してください」 中国:「わかった!全然大丈夫!余裕です!」 結果=前日になってから突然間に合わないことが判明
- 例2:日本:「これやっといてー」 中国:「はーい🙌 今やる!」 >>>数時間後>>> 日本:「あれ終わった?」 中国:「今からやる!」日本:「💢💢💢」
例のようなことは日常茶飯事に起こることなのですが、日本側が気をつけなければならないのが、日本側が中国側に何かやって欲しいことがある時に、進捗を逐一確認することや期限をつけることが「とても」重要です!!
いちいち監視されてないとできないのか?と思いますが、日本の常識ではありえないことが本当に起こるので、特に取引が初めての相手に仕事を任せるときは目を光らせたほうがいいです。
第1位 金銭トラブル
とても頻繁に起こるわけではないのですが、怒り心頭レベルはMAXなのでこちらを1位にしました。
金銭トラブルって一番厄介ですよね。第2位の約束を守らないとも絡んできますが、払うべきお金を払わないで逃げるというパターンもごく稀にあります。
例1:給料日が決まっているのに払わない。
例2:請求金額が確定したにもかかわらず、後から何事もなかったかのように値引き交渉してくる。
例3:滞納することで金銭を人質代わりに、自分に有利な交渉をしてくる。
ビジネスならではだと思うのですが、例えばビジネス上で自分に有利な方向へ物事を進めたい場合、請求されている金銭を滞納し、それを人質代わりに交渉してくる場合があります。
ちょっと乱暴に言うと「お前のところが言うこと聞くまで、金は払わねえ」と言う感じです。
日本でも多分あるのだとは思いますが、中国人社長の下で働いていた時はこんなことが日常でしたので、とんでもない世界に入り込んでしまったもんだと日々思っていました。内心みんなヤクザじゃん:(;゙゚'ω゚'):と思っていました。
中国が何故いまだに「コネ社会」なのか?
では本題、なぜ中国が現代社会でも依然として「コネ社会」なのか?の考察に入ります。
ここからは、個人的な考察なので事実と多少異なる部分があるかもしれません。
昔は日本もコネ社会で(今も少しありますが)おそらくほとんどの国がコネ社会だったと思われます。
ただ、現代社会になって国家の法律が整備されていく中でコネと言うものの効力がだんだん失われていきました。
そして日本ではルールに従うことが標準となって、規則に則って行動することが正しいとされ、コネを使う人を非難するようになりました。
例えば一見さんお断りの店やコネ入社は昔に比べたらだいぶ少なくなったのではないでしょうか?
これは日本人のルールを遵守するだとか、和を重んじると言う気質による賜物ではないかと考えているのですが、中国人はそうではないと思います。これには日本人の気質が良くて、中国人の気質が悪いと言う意味はなく、どちらも良い面と悪い面があります。
中国も現代社会になって法律は整備されました。ただコネ社会は依然として色濃く残っています。
何故なのか…?
それはやはり中国人の気質やものの考え方が日本人とは異なっているからだと考えます。
中国人は日本人と違って、自我が強く、ルールに従うよりも自分でまず物事を考えてから行動するという傾向が強いよう思います(経験談)。
もちろん法律内で行動する必要はあるのですが、既存のルールや物事について疑問を持ち自分の頭で考えているように思います。逆に日本人はルールがあるともう思考停止で何も疑問に思わずルールに従い行動する傾向が強いように思います。
そのような自我が強く他人よりも自己の利益を追求しようとする傾向があるために、ビジネスでも自分優位の取引をしがちになりますよね。
そうすると当然トラブルも増えるので、裏切りや詐欺なども増えてビジネスでは相手を信用しにくいのではないでしょうか?
そのため、親戚や友達などよく知っている信頼のある人たちとビジネスをするのが一番良い=コネ社会ということになります。
もちろん金銭が絡むと家族や友達であっても裏切られることはあると思うのですが、赤の他人よりはマシですよね。
例えば、赤の他人とビジネス上のトラブルがあって逃げられたら探す術もなさそうですが、家族や友達なら共通の知り合いがいるので逃げられる確率も低そうです。
結論
中国人は自我が強く、ビジネス上では他人よりも自己の利益を追求しようとする傾向がある
↓
トラブルが起こりやすい
↓
信頼できる家族親戚、友達とビジネスしたほうが安全
↓
現代社会でもコネ社会が根強く残り続ける
このような考察と結果になりました!
私が中国人社長の下で働いていたときにとても印象的な言葉を紹介します。
「仕事をする前に、まずはその人と友達にならなきゃいけないんだ」
この言葉の裏には、仕事をする前に友達になって信頼関係を築かないと痛い目に遭うぞと言う意味も含まれている気がして、まさに中国のコネ社会や中国人のやり方を体現している言葉だなと思って今でも心に残っています。
実際私も直近でもらっていた中国関係のお仕事は友達経由だったので、コネでした。
信頼関係を築くまでは大変かもしれませんが、一度構築してしまえば仕事の依頼を増やすことができると言うメリットもあります!
これから中国とビジネスをしよう、中国人と一緒に働こうと思っている方は怖がらずに相手のことを理解して挑戦してみてはいかがでしょうか?